今日からできる!ベネフィットの基本・ベネフィットの作り方レシピ

今日からできる!ベネフィットの基本・ベネフィットの作り方レシピ

マーケッターやセールスコピーライターの常識、商品・サービスに対するベネフィットの基本とその作り方。

 

ベネフィットをウェブサイトやランディングページ、セールスレター、チラシといったメディアに載せるだけで成約率が2倍、3倍になることもざらにあります。

 

商品・サービスのベネフィットを作る技術は作法と同じ。身につけると一生涯使えるスキルです。社長、ウェブディレクター、営業パーソンにとっても必須課題。

 

昔勉強したけど「よく分からなかった」「難しかった」という方「特徴とベネフィットの違いって何?」といった初心者の方にもぜひご一読いただきたい秘密のレシピを大公開。

 

ベネフィットとは?

一言でいうと商品・サービスに対する期待感のこと。あなたは商品・サービスにこんな期待感、感じたことありませんか?

 

  • あのラーメン、美味し(そう)
  • このサービス、効果あり(そう)
  • これなら私でもできる(かも)
  • コンプレックスが解消できる(かも)

 

そこから転じて人の感覚を刺激すること。それがベネフィット。商品・サービスのベネフィットを感じた人はベネフィットを伝えない時よりも行動する確率が高くなります。

 

行動は商品・サービスの選択・購入に繋がります。成約率が2倍、3倍となる理由はこのためです。ベネフィットは、文章・映像・音楽を通して伝えていきます。

 

ベネフィットのあるメディア・ないメディア

ベネフィットは商品・サービスの期待感を提供すること。では、実例を使ってベネフィットはどのように使うべきか覗いてみましょう。まずは、ベネフィットのない商品広告から。

AQUOS ZETA SH-04F(主な特長)

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こんなメッセージが目に飛び込んできます。

 

あふれ出る臨場感と、余裕のスタミナ。IGZO搭載全身スクリーンAQUOS

ドコモスマートフォン史上最高クラスの電池持ちdocomo LTE XI 受信時最大150Mbps対応

 

あふれ出る臨場感、余裕のスタミナ・・・IGZO、全身スクリーン、XI、最大150Mbps対応・・・一言でいうと機能・特徴ばっかりなんですよね。技術的には確かに素晴らしいのでしょう。

 

でも大多数の消費者は機能や特徴に惚れ込んで買うことはありません。商品を手にすることで何を得られるのか?その「期待感」を買う訳です。

 

これがベネフィットのない商品広告。では、ベネフィットのある商品広告とは?

 

iPhone5s 特長

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こんなメッセージが目に飛び込んできます。

 

昨日まで誰もつくれませんでした。今日からみんなが手放せなくなります。

64ビットアーキテクチャを持つチップ。指紋認証センサー。より速く撮れる、より優れたカメラ。64ビットのためにつくられたオペレーティングシステム。どれも、スマートフォンの機能としては、はるかに先を行くものです。そして、そのすべてが、iPhoneをまぎれもなく、はるかに先へ行くものにします。

 

「なぜ、手放せなくなるんだろう?」
「はるかに先へ行くものとは?」

 

期待感と同時にその先を知りたい!気持ちになりますよね。これがベネフィットのある商品広告です。

 

ベネフィットの作り方

ではここから実際の作り方を紹介していきますね。ベネフィットは頭の中でひらめくようなものではありません。その真逆で、3つのステップを経て論理的に作っていきます。その3つのステップとは、、、

 

  • 特徴(Feature)を洗い出す
  • 利点(Advantage)を考える
  • ベネフィット(Benefit)を考える

 

となります。

 

【STEP1】商品・サービスの”特徴”を洗い出す

まずは商品・サービスの特徴( = 機能)を紙に箇条書きで洗い出します。30分もかけたら50~100はピックアップできるはず。スマートフォンで特徴を挙げてみるとこんな感じ。

 

  • 電話ができる
  • メールができる
  • 音楽が聴ける
  • GPSがついている
  • カメラがついている
  • 保存容量が32GBある
  • アラームがついている
  • 通信速度が速い(4G)

 

特徴( = 機能)を洗い出す時のポイントは「これ、間違ってるかな?」と感じてもひたすら書くことに注力すること。

 

【STEP2】商品・サービスの”利点”を考える

特徴を洗い出したあとは特徴がもつ長所 = 利点を考えます。特徴には理由(利点)があるはずです。利点は、つぎのテンプレートに当てはめて作ってみてください。

 

この△△△には、○○○があります。

そのため、□□□ができます。

 

例えば

 

この[スマートフォン]には、[カメラ機能]があります。そのため、[撮りたい時に素早く写真を撮ること]ができます。

 

もうひとつ、考えてみましょう。

 

この[スマートフォン]には、[32GBの記憶容量]があります。そのため、[大量の音楽や動画を保存すること]ができます。

 

特徴と利点を合わせて伝えるだけでもメッセージが豊かになると思いませんか?これが「特徴」を「利点」に変換する方法です。でも・・・

 

利点を読んで「一般論っぽいなぁ」と感じた方、ビンゴ。正解。

 

メッセージはもっと強くすることができます。

 

【STEP3】商品・サービスの”利益”を考える

利点をよりパワフルなメッセージにするにはにとっての利益なのか?を明確にすること。

 

この△△△には、○○○があります。

そのため、□□□ができます。

従ってあなたにとって、***です。

 

先程のスマートフォンの例えで言うと、、、

 

この[スマフォ]には、[カメラ機能]があります。そのため、[撮りたい時に素早く写真を撮ること]ができます。従って[赤ちゃんの母親であるあなた]にとって、[子供の表情を逃すことなく片手で撮影できます。サイレントモードを使えば、寝顔の撮影もバッチリ。シャッター音で起こしてしまう心配はありません。]

 

もうひとつ別の例えで考えると、、、

 

この[スマフォ]には、[32GBの記憶容量]があります。そのため、[大量の音楽や動画を保存すること]ができます。従って[毎日忙しいマーケッターのあなた]にとって、[1000以上のマーケティングセミナーの音声・動画データをスマートフォンに保存することができます。通勤や昼休みといった隙間時間にいつでも学習に専念できる環境が手に入ります。]

 

利点は、あくまでも一般論。

 

特定の人にメッセージを向けることで商品・サービスの利点がより鮮明に、よりパワフルになりましたね。

 

を特定しない限り鮮明で強いメッセージは作れないとも言えます。これが、ベネフィットを作る方法です。

 

※誰?を特定する方法はこのエントリーがきっと役に立つでしょう。

理想の顧客像を見つける方法。顧客を知ることが全てのはじまり。

 

ベネフィットに関するエトセトラ

ブランドの神様、デビッド・アーカー氏はベネフィットには3つの種類があると語っています。

 

  • 機能的ベネフィット
  • 情緒的ベネフィット
  • 自己表現ベネフィット

 

私なりに解釈した内容はこちら。

 

(1)機能的ベネフィット

商品・サービスの機能的側面によって提供されている利益。主な分類として、、、

 

  • 使いやすい
  • 性能が良い
  • 軽い(重い)
  • 薄い(厚い)
  • 安い
  • 立地が良い
  • 早い(速い)
  • 美味しい
  • 身体に良い

 

(2)感情的ベネフィット

商品・サービスを所有することによって得られる感情を喚起するような側面によって提供されている利益。主な分類として、、、

 

  • 楽しい
  • 気持ち良い
  • 落ち着く
  • 新鮮
  • 安心できる
  • やさしい
  • 高級感がある
  • ほっとする
  • かっこいい
  • 泣ける
  • 面白い

 

(3)立体的ベネフィット

商品・サービスを所有することによって得られる利用した時のシーンや人生に影響を与えたり、豊かにする利益。主な分類として、、、

 

  • 自己を表現できる
  • 自慢できる
  • こだわりを示せる
  • コンプレックスがなくなる
  • 自己肯定される
  • 不満足が解消される
  • ストレスから解放される
  • 健康になる

 

ベネフィットをより強力にする方法

機能的ベネフィットを並べるよりも感情的または立体的ベネフィットを複数合わせて伝えたり、感情的ベネフィットと立体的ベネフィットを掛け合わせて伝えたほうがより一層パワフルになります。

 

ちなみに、3種類すべてを使わなきゃいけない!という意味ではありません。ベネフィットを考えるうえでの切り口として参考にしてみてください。

 

まとめ

商品・サービスの魅力をお客さんに伝えるためにはベネフィットは必要不可欠なスキル。ぜひ、あなたも自身で取り扱う商品・サービスのベネフィットを考えて、販促に活かしてみてはいかがでしょうか。